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吉田潤喜氏が語る「ヨシダグルメソース」の成功秘話とビジネス哲学
裸一貫で渡米し、世界中で愛される「ヨシダグルメソース」を創設した吉田潤喜氏。彼の人生は、戦後の日本でアメリカンドリームを実現した成功者の象徴ともいえる存在です。今回は、吉田氏の波瀾万丈な人生を振り返り、日本の若いビジネスパーソンへのメッセージをお届けします。
東京オリンピックが与えた転機
吉田氏は1949年、京都に生まれ、75歳になった今もなおビジネスの最前線に立ち続けています。彼の幼少期は厳しいもので、4歳の時に右目を失明し、いじめに悩まされる日々を送っていました。日本の「ジメジメした環境」に反発し、若い頃は空手を習い、毎日を「反抗心」で生き抜いてきました。そんな彼にとって、1964年の東京オリンピックが転機となりました。
「大学受験に失敗したこともあり、このままでは間違った道に行くと思った」と語る吉田氏。オリンピックで流れるアメリカ国歌に感動し、日本を出る決意を固めたのです。英語もほとんど話せなかった彼は、飛行機の中で話しかけられることが怖く、10時間のフライトの間ずっと毛布をかぶって寝たふりをしていたといいます。
アメリカでの挑戦と「ヨシダソース」の誕生
1968年にシアトルに到着した吉田氏は、「もう日本には帰らない」と覚悟を決めて渡米しました。しかし、後に人生を賭けることになるのは「ヨシダソース」でした。彼は当初、空手を教えることで生計を立てていましたが、1982年のアメリカリセッションにより、生徒数が激減。そんな中で、妻リンダの提案で義母のレシピからソースを作り、それを配ることで商売が始まったのです。
「ヨシダグルメソース」の誕生
吉田氏が作ったソースは「焼肉のタレ」として販売されることになり、少しずつ人気が出てきました。「おいしい」との声が集まり、次第に「ヨシダグルメソース」として商標登録されるに至ります。吉田氏は「私は『バーベキューソース』や『テリヤキソース』と呼びたくありませんでした。それが万能調味料として、どんな料理にも使えることを望んだからです」と語っています。
ユニークな販売戦略と成功への道のり
お金がなかった吉田氏は、コストコでの店頭販売を自ら行い、価格に見合う価値を提供する努力を続けました。「バナナのたたき売り」式のセールス法で、カウボーイの帽子をかぶり、着物を着て販売するなどのパフォーマンスをし、お客様の心を掴むことに成功します。このような独自のアプローチが功を奏し、テレビに取り上げられることで一気に広がりを見せました。吉田氏は「信頼を得ることがビジネスで最も重要だ」との考えを持ち、その姿勢が多くのファンの支持を集めました。
世界展開と次世代へのバトンタッチ
当時、ヨシダソースは世界中で販売されるようになり、売上は2500万ドルを超えました。しかし、国際的な食品メーカーであるハインツからの買収提案が吉田氏を悩ませます。彼はついにアメリカでの販売権を譲渡することを決めましたが、その数年後、孫からの「事業を引き継ぎたい」という言葉が心を動かし、ハインツからの買い戻しを決意しました。
2024年までに、アメリカでの販売数はハインツ時代の2倍に戻る見込みだとしています。「今後は、グルメソース一本に注力し、顧客との信頼関係を強化していきたい」と語る吉田氏。具体的には、日本での地盤固めが目標であり、現在のコストコの売り上げはアメリカの3店舗分を実現しています。
ビジネスにおける「成功」とは？
吉田氏のビジネス哲学は「金儲けではなく人儲け」。彼は日本の若手ビジネスパーソンへ「一度日本を飛び出し、世界を見ろ」と助言します。さらには、相手にニコッとしてもらうために何ができるかを考え続けることが重要だと語ります。「波長を合わせることができたとき、それがビジネスの火種になる」と、吉田氏は自身の経験から伝えています。
挑戦し続ける吉田潤喜氏の姿勢
最後に、吉田氏にとっての成功とは「やりたいことを満足するまでやることだ」と語ります。彼の生き方からは、物質的な豊かさだけが成功ではなく、自分の人生に満足感を持つことが本当の成功だというメッセージが伝わってきます。これからの吉田氏の挑戦は、さらなる多くの人々に影響を与えることとなるでしょう。
興味がある方は、実際に店頭販売や勉強会に参加して、彼の人柄を感じてみることをお勧めします。
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