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家庭用パスタソース市場を変革する『ハコネーゼ』の秘密
大手食品メーカーが展開する家庭用パスタソースは、一人暮らしの学生や高齢者、子育て世代など、幅広い層に重宝されています。最近では、湯煎せずに電子レンジで手軽に調理できる商品も増えてきました。この市場を先駆けてリードしているのは、創味食品の『ハコネーゼ』です。この記事では、開発担当者である山本傑氏に『ハコネーゼ』誕生の背景やそのこだわりについて詳しく伺いました。
美味しさ最優先のパスタソース開発
創味食品は業務用・市販用の調味料を製造・販売するメーカーで、消費者に人気の『創味のつゆ』や『創味シャンタン』などが有名です。山本氏は2005年に同社に入社し、20年間にわたり液体調味料の開発に携わってきました。「当社の従業員は約600名で、私が入社した時からほぼ倍増し、昨年度の売上は400億円に達しています。コロナ禍の影響もありましたが、全体的には成長を続けています」と山本氏は語ります。
商品開発の特徴と取り組み
商品開発課では、美味しさを最優先にする姿勢が徹底されています。商品化前には、社内で実施するブラインドテストで圧倒的な支持を得た商品だけが市場に登場します。そして、一般的な食品メーカーでは分けられている仕入れ部門が、創味食品では商品開発課に統合されている点が特徴です。「新たな原料や資材を探し、安定した供給を確保するのは大変ですが、その分やりがいを感じます」と山本氏は説明します。
洋風調味料への挑戦
長年、和風・中華の調味料がロングセラーを記録してきた創味食品ですが、洋風調味料の開発は2017年から始まりました。パスタソースの開発には、ブランドへの信頼や「うどん、ラーメンの次はパスタ」というシンプルな思想が影響を与えています。「食の総合メーカーとして新しい商品を作りたい」という気持ちでスタートし、専門店に負けないクオリティを目指しました。
『ハコネーゼ』の誕生とその魅力
『ハコネーゼ』は、独自のコスト削減により、リーズナブルな価格でプロの味を実現したパスタソースです。パッケージは外箱を使用せず、簡単に調理できるレンジ対応パウチを採用しています。山本氏は、「外箱を使わない分、コストを中身に振り向けています。ネーミングも購入者に伝わりやすいよう工夫しました」と述べています。
開発の歴史と製品ラインナップ
開発には3年以上の期間がかかり、2021年3月には『海老トマトクリームソース』『ポルチーニソース』『完熟トマトソース』が発売されました。従来の家庭向けパスタソースとは異なり、レストラン品質の濃厚な味わいで好評を博しています。特に『海老クリーム』は、圧倒的な海老の旨みと生クリームのリッチな味わいで、社内でも注目を集めました。
今後の展望と新商品
2022年には『ボロネーゼ』『カルボナーラ』を、2023年には『ボンゴレ』『イカスミソース』を順次発売しました。新たなラインナップも続々登場しており、『あえるハコネーゼ』シリーズも好評です。さらに、2026年には関東エリアに新工場を建設予定で、さらなる生産拡大を目指しています。「生産ラインがフル稼働している中、自社の商品に自信を持っています。今後も新たな視点で商品開発に挑戦していきたいです」と山本氏は未来への抱負を語りました。
まとめ
創味食品の『ハコネーゼ』シリーズは、家庭用パスタソース市場において重要な役割を果たし続けています。本格的な味わいを手軽に楽しめるこのパスタソースは、今後の展開にも期待が寄せられています。『ハコネーゼ』の開発背景とその魅力を理解すれば、より一層楽しむことができるでしょう。
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