副業・兼業に関する実態調査の結果を発表
みらいワークスは、6月24日に「副業・兼業に関する人事制度の実態調査」の結果を発表しました。この調査は、5月29日から6月3日の期間に、大企業に勤める人事・労務担当者500名を対象に実施されました。この記事では、副業・兼業制度の現状や企業の取り組みについて詳しく解説します。
副業・兼業制度の現状
調査結果によると、「貴社の正社員における副業・兼業制度」についての状況は次の通りです。「全面的に禁止している企業」が26.0%、「認めている企業」が55.2%、「現在は禁止でも新制度を整備中」が18.8%という結果になりました。このことから、**副業・兼業を認める企業の割合が増加している**ことが伺えます。
他社の従業員を副業・兼業で受け入れる企業
調査において、他社の従業員(常用労働者)を副業・兼業人材として「受け入れている」企業は62.4%に達しました。具体的には、業務委託などの非雇用型のみを受け入れている企業は26.4%、雇用型のみが21.0%でした。興味深いことに、自社の正社員の副業・兼業を「認めている」企業では、72.8%が他社の従業員を受け入れていることが明らかになりました。
さらに、「禁止している」企業においても、約半数(49.6%)が副業・兼業の外部人材を受け入れていると回答しています。これにより、従業員の働き方に対する柔軟性が求められていることが示唆されます。
副業・兼業に対する社内規程の整備状況
続いて、副業・兼業に関する社内規程の整備状況について調査したところ、50.0%の企業が「就業規則に含まれている」と回答しました。また、正社員の副業・兼業を認めている企業では56.1%、禁止している企業では71.0%が社内規程を整備していると述べています。このことは、多くの大企業が副業・兼業の有無に関わらず、社内規程を見直し、整備していることを示しています。
副業・兼業を禁止する理由
副業・兼業を禁止している企業に対して、その理由を尋ねたところ、以下のような回答が上位にあがりました。
- 社内業務への支障(55.4%)
- 労務管理の困難さ(40.2%)
- 機密情報流出のリスク(36.6%)
- 従業員の健康・メンタルヘルスへの懸念(35.7%)
副業・兼業を認めている企業においても理由が存在し、「従業員の自律的なキャリア形成」が42.8%と最も多い結果となり、次いで「多様な働き方の実現(ダイバーシティ促進)」(37.7%)や「従業員のモチベーション向上」(35.1%)が続きました。このように、企業は多様な理由から副業・兼業制度を取り入れています。
副業・兼業制度の運用における重要な課題
調査では、副業・兼業を認めている企業に対して、「副業・兼業制度の運用における特に重要な課題」を尋ねたところ、以下のような回答が得られました。
- 情報セキュリティの確保(40.6%)
- 健康管理・メンタルヘルス管理(39.5%)
- 労働時間の適切な把握(37.3%)
- 本業のパフォーマンス維持(34.4%)
これらの課題を解決するために企業が実施している情報管理対策としては、「情報セキュリティ研修の実施」(55.4%)や「定期的なモニタリング実施」(41.3%)が上位にありました。また、機密保持契約の締結(36.6%)や誓約書の徴収(30.8%)も重要な取り組みとされています。
健康管理と労働時間管理方法
健康管理対策においては、「産業医との定期相談」が最も多く(43.5%)、次いで「ストレスチェックの追加実施」(42.8%)や「定期面談の実施」(33.7%)が続きます。また、労働時間管理方法としては、「システムによる一元管理」(37.0%)、「表計算ソフト等による管理」(22.1%)、「管理していない」(14.5%)という結果が報告されています。
このように、企業は副業・兼業制度の導入が進む中、様々な課題に直面しています。人事・労務担当者は、これらの調査結果をもとにそれぞれの企業に適した労働環境を整備していく必要があります。