共働き意識調査:見えざる格差と家事負担の実態
JOB総研が発表した「2025年 共働き意識調査」の結果が注目を集めています。この調査は、2025年8月1日から7日の間に実施され、全国の20〜50代の男女442人を対象に、インターネットを通じて実施されました。「共働き」「家事育児負担」「男女平等」などのキーワードが含まれたこの調査からは、現代における共働き家庭の実態が浮き彫りになりました。
共働きにおける見えざる格差の実態
調査結果によると、共働き家庭における「見えざる格差が存在する」と回答した人は83.1%に上りました。具体的な内訳としては、「とてもあると思う」が16.3%、「あると思う」が33.5%、「どちらかといえばあると思う」が33.3%と、多くの人がこの問題を認識していることが伺えます。
見えざる格差の内容
見えざる格差の具体的な内容について尋ねたところ、「やって当然の空気感がある」と感じている人が43.2%で最多でした。次いで「一方が無意識に家事を担う」という意見が41.4%、さらに「一方が諸々の調整を引き受ける」が32.6%という結果となりました。これらは、特に女性が家事や育児の負担を無意識に背負わされている現状を反映しています。
家事育児分担の実態
共働き家庭における家事育児の分担割合についても興味深い結果が得られました。「男性が多く担うことに違和感がある」と考える人は69.4%を占める一方で、「女性が多く担うことに仕方ないと思う」と回答した人は56.6%に達しました。これにより、職場での役割と家庭での役割に対する認識が鮮明に分かれていることが明らかになりました。
家事や育児に対する印象
また、家事や育児は女性が多く担うという考えに対して、「理想的ではないが実際に多い」との回答が39.1%で最も多く、次いで「社会ではその傾向が強い」が35.5%、「誰が担うかより納得感が大事」との回答が31.4%となりました。これらのデータは、家族内での役割分担や、社会における共働きの意義についての考察を促します。
収入差と家事育児の分担
調査では、「収入差が共働き生活の家事育児分担に影響を与えるべきか」というテーマでも意見を集めました。「賛成派」は60.2%で、内訳は「とても賛成」が8.6%、「賛成」が14.0%、「どちらかといえば賛成」が37.6%という結果となりました。男女別では、男性の賛成率が64.9%、女性は51.6%でした。
賛成・反対の理由
賛成の理由としては、「稼ぐ方が仕事に集中した方がいい」という意見が47.7%で最多、続いて「効率よく家庭を回せる」が31.2%、「時間、体力差での分担が合理的」が29.7%でした。一方、反対の理由としては、「責任は収入関係なく共有」が49.4%と多数を占め、「収入差による不満が出る」が44.9%、「両者が両立意識を持つべき」が43.8%という結果が出ました。
共働きがもたらすキャリアへの影響
また、共働きが自身のキャリア選択にどれほど影響を与えているかを尋ねたところ、「影響がある」と答えた人は67.2%に達しました。具体的には、「場所や時間に制約を感じる」という回答が46.5%と最多を占め、次いで「転職、異動、昇進に慎重になる」が39.7%、「相手の働き方を意識する」が35.0%でした。
男女間のギャップ
「影響がある」と答えた男女別のデータからは、男性が64.1%、女性が73.9%で、特に女性に強い影響が出ていることが分かります。この傾向は、働き方改革や男女平等の進展が求められる現在において、ますます注目されるべきテーマです。
共働きと男女平等の進展
最後に、共働きが進んでいるかどうかを尋ねた結果、「進んでいると思わない派」が47.3%となり、依然として多くの人々が男女平等の実現に疑問を持っていることが分かりました。これらの結果を通じて、共働き家庭が直面しているさまざまな課題について深く考える必要があることが明らかです。