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帝国データバンクが発表した「雇用過不足」に関する調査結果

2023年8月19日、帝国データバンクは全国2万6,196社を対象に実施した「雇用過不足」に関するアンケート調査の結果を発表しました。この調査は2023年7月17日から31日までの期間にインターネットで行われ、有効回答は1万626社に達しました。

人手不足の実態が続く現状

調査によると、人手不足の状況は依然として「高止まり」しており、特に正社員の人手不足を感じている企業は50.8%に達しました。これは前年同月の51.0%から0.2ポイントの僅かな減少ではあるものの、依然として高い水準で推移しています。また、非正社員の人手不足割合も28.7%となり、わずかに前年同月から低下したものの（同-0.1ポイント）、2年連続で3割を下回る結果となりました。

業種別に見る人手不足の割合

正社員の人手不足を業種別に見ると、最も高い割合を示したのは「建設業」で、その割合は68.1%に達しました。企業からは「人手不足が原因で契約が成立しないケースが増加している」といった不安の声が上がり、また「残業規制により労働時間が削減され、猛暑によって作業効率が落ちている」との意見も見受けられます。特に猛暑による作業の制約や熱中症対策に伴う作業手順の見直しが、全体の人手不足を一層深刻化させていると考えられます。

他の業種を見てみると、「情報サービス」分野も67.6%（前年同月比-4.3ポイント）で高い結果を示しています。この分野では生成AIをはじめとするITへの投資が、求められるスキルを背景に需要を押し上げています。また、「メンテナンス・警備・検査」分野は66.7%（同+0.8ポイント）、ドライバー不足が深刻な「運輸・倉庫」も63.9%（同+0.5ポイント）と、6つの業種で6割を超える人手不足が確認されています。

非正社員の人手不足状況

非正社員に関しては、「人材派遣・紹介」業界が63.3%（同+4.7ポイント）でトップとなり、派遣人材を活用して人手を補う動きが活発化していることが示されています。一方で、コロナ禍以前から人手不足が続いていた「飲食店」は61.8%（前年同月比-5.7ポイント）、また「旅館・ホテル」も51.7%（同+0.1ポイント）と、これらの業界における人手不足の割合は大幅に低下しています。

人手不足の解消に向けた企業の取り組み

人手不足が深刻化する中で、多くの企業が採用戦略や労働環境の改善に取り組んでいます。例えば、業界全体での人手不足の解消に向け、柔軟な働き方やテレワークの導入が進められています。また、魅力的な雇用条件を提示することで求職者の獲得を目指す企業も増加しています。

まとめ

帝国データバンクの調査結果からも明らかなように、現在の日本において人手不足は依然として多くの企業に影響を与えています。特に特定の業種では慢性的な不足が見られ、これが企業の成長や安定に影響を及ぼす可能性があるため、解消に向けた取り組みが求められています。

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