パーソル総合研究所のテレワーク調査結果:2023年版
2023年8月27日、パーソル総合研究所は「第十回・テレワークに関する調査」の結果を発表しました。この調査は2023年7月11日から15日まで、従業員数が10人以上の企業に勤務する20歳から59歳の男女3万731人を対象として行われました。
テレワーク実施率の現状
テレワークの実施率(正規雇用社員)は、2023年7月時点で22.5%となっています。前年同期と比較するとほぼ変化はありませんが、企業規模別に見ると、特に1万人以上の大企業では減少傾向が見られます。
業種別テレワーク実施率
業種別でのテレワーク実施率においては、情報通信業が56.3%で最上位となっており、これが全体を牽引しています。一方で、元々実施率が低い宿泊業や飲食サービス業では、さらに低下している傾向が見られます。
職種別実施率の比較
職種別に見ると、「コンサルタント」や「IT系技術職」は高い実施率を示しています。特に最近2年間で大きく低下している職種は、「Webクリエイティブ職」、「広報・宣伝・編集」、「営業推進・営業企画」、「資材・購買」です。
テレワークの実施頻度
テレワークの実施頻度に関して、29.1%が「1週間に1日未満」、20.3%が「1週間に1日程度」と回答しており、週1日以下のテレワーカーは合計で49.4%となっています。昨年からの変化に関しては、35.8%の回答者が、テレワークの頻度が「減った」と答えています。
企業方針と従業員の意識
企業のテレワークに関する方針について尋ねたところ、62.2%が「特に会社からの指示は無い」と回答しましたが、前年と比べると全体的に「原則出社の指示」が微増しています。この傾向は、企業の方針が徐々に厳格化していることを示唆しています。
テレワーク非実施の理由
テレワークを実施していない理由について見ると、「テレワーク制度が整備されていない」が連続して上昇しており、「テレワークで行える業務ではない」がそれに対抗して逆転する結果となっています。この点は企業の制度整備が今後の重要な課題であることを示しています。
テレワーク継続の希望
テレワークを実施している従業員に今後のテレワーク希望を尋ねたところ、82.2%が継続希望を示しました。この継続希望の割合は、2020年後半以来高い水準を維持しています。
テレワークでの困りごと
テレワークにおける困りごとを調査した結果、「運動不足を感じる」が最上位であるものの、全体的には減少傾向が見られました。一方で、「部下の仕事の様子がわからなくなった」との回答は増加しています。こうした状況下での不安感についても調査され、「相手の気持ちがわかりにくくて不安だ」との回答が最も多く寄せられました。
まとめ:今後のテレワークの行方
今後のテレワークの在り方は、企業方針や従業員のニーズにより大きく変化し続けることでしょう。テレワーク関連の制度やその実施方法の見直しが鍵となり、今後の調査結果にも注目が集まります。