保育士の働き方実態調査結果:使命感とやりがいの実感
日本生命保険は、2023年9月18日付けで「保育士の働き方実態大規模調査」の結果を公表しました。この調査は、2023年6月13日から6月18日の間に、20歳から59歳までの保育士1,521名(現役保育士767名、元保育士543名、潜在保育士211名)及び一般社員516名を対象にインターネットで実施されました。保育士がこの職業に就く理由について尋ねたところ、魅力的な回答が多数寄せられました。
保育士の仕事に対する高い評価
調査の結果、保育士は
「子どもの頃からこの仕事に就きたいと考えていた」(31.8%)、
「誰かの役に立っていると実感できる」(30.4%)、
「長く続けたいと思っている」(29.5%)、
「社会的意義が高い仕事だと思う」(26.1%)との回答が多く見られました。
一般社員との比較でも、「子どもに貢献できている実感」(+29.5pt)や「社会的意義の強さ」(+16.8pt)の項目で有意な差が認められ、保育士が幼少期からの夢を実現し、社会に貢献していることが明らかとなりました。
就業後の満足度向上
保育士の就業前後の意識の変化も注目すべき課題です。調査では全14項目中13項目において数値が上昇し、特に「自分自身の学びにつながる」(+9.8pt)や「自分の成長を実感できる」(+6.2pt)を挙げた回答が多く見られました。これは、保育士が同僚からの支援に加え、自らの成長を実感しながら働いている様子を反映しています。
仕事とプライベートのバランス
調査では、「仕事とプライベートのバランスが取りやすい」(68.8%)との回答が高く、多くの現役保育士が仕事と生活の両立ができていると感じていることが判明しました。
「自分は職場で役立っていると思う」(67.3%)や「仕事を通じて成長や達成感を実感できている」(66.2%)の声も数多く挙がり、保育士としての仕事が自己成長や他者貢献の機会を提供していることが確認されました。
保育士として働き続ける理由
現役保育士が「辞めたいと思ったことがない」と答えた主な理由は、
「職場の人間関係が良好」(20.4%)、
「仕事とプライベートの両立ができている」(19.5%)、
「現在の仕事にやりがいを感じている」(15.9%)などです。
これらの結果は、保育士が自己成長や社会貢献を実感しながら働き続けていることを示しています。特に、現場での学びや同僚とのつながりが、保育士の原動力となっていると考えられます。
元保育士と潜在保育士の復帰意向
調査では、元保育士及び潜在保育士が短時間勤務であれば「働きたい」と答えた割合が非常に高く、元保育士の42.9%が「働きたい」と回答しました。
また、潜在保育士でも46.0%が同様の意向を示し、保育士免許を持つ人々が現場での活躍を希望していることがわかります。これにより、保育士という仕事の人気と魅力が裏付けられています。
保育士の離職意向
一方で、現役保育士の51.5%が「辞めたいと思ったことがある」と回答しました。その理由は、
「給料の低さ」(38.8%)、
「人手不足による多忙」(32.0%)、
「精神的負担が重い」(29.4%)などが挙げられます。特に、業務負担が過剰であることが強いストレスの原因となり、保育士の離職意向を高めていることが示唆されます。
保育士の仕事の負担感
調査結果では、「からだを大変よく使う仕事である」(83.3%)、「肉体的疲労感が蓄積する」(81.4%)といった声が多数あり、保育士の肉体的負担が特に大きいことが明らかになりました。
その上で、精神的な負担も大きく、「注意を要する仕事」(+29.2pt)や「責任感ある決定が求められる」(+28.5pt)など、仕事内容の重さが彼らのストレスに直結していることが確認されました。
職場環境の改善が必要
保育士の仕事における肉体的および精神的な負担を軽減するためには、労働環境の改善が求められます。現役保育士がやりがいを持って働き続けるためには、どうしたらよいのでしょうか。労働条件の見直しが急務であり、今後の動きが注目されます。