“`html
ロレアル−ユネスコ女性科学者 日本奨励賞 20周年記念年のトークセッション
ロレアルグループの日本法人である「日本ロレアル」は、9月25日に「ロレアル−ユネスコ女性科学者 日本奨励賞 20周年記念トークセッション」を開催しました。このトークセッションでは、2007年度の受賞者である戸張靖子氏、2020年度の受賞者である小野寺桃子氏がパネリストとして登壇しました。彼女たちが語る日本の女性科学者の現状と未来についての議論が展開されました。
ロレアルの女性科学者支援
日本ロレアル バイスプレジデントコーポレート・レスポンシビリティ本部長の楠田倫子氏は、ロレアルがどのように女性科学者の支援に取り組んでいるかを紹介しました。ロレアルグループはフランス・パリに本社を構え、全世界150カ国以上で化粧品ビジネスを展開しています。そのため、研究開発にかける投資や特許出願の数は業界でもトップクラスです。2024年度の売上高は約435億ユーロ(約7兆円)に達し、化粧品業界での存在感は揺るぎありません。
女性科学者の割合
楠田氏は本イベントの冒頭で、OECDのデータに基づいて、日本の女性科学者比率が国際的に低いことを強調しました。科学職における女性の比率は、世界平均で33%に対し、日本では18%に留まっています。一方、日本の15歳男女は数学的および科学的リテラシーにおいてトップクラスの成績を収めており、男女間の差はわずかです。
女性科学者の進出を阻む要因
「女性のライフステージの各段階において、教育や文化、社会からの障害が存在します。特に初等・中等教育では、教育者や親の影響が進路選択に大きく関わります。理数系を志望する女子高校生に対し、周囲からの理解が得られにくい場合も多い」と楠田氏は述べています。
日本ロレアルの取り組みと成果
2023年末時点で、日本ロレアルでは女性研究者の比率がグローバルで69%に達しています。また、川崎の研究開発所では女性研究者が59%、女性管理職比率も47%という実績を上げています。これらの数字は、厚生労働省の調査による12.7%を大きく上回るものです。
日本奨励賞の概要と意義
2005年に設立された「日本奨励賞」は、生命科学及び物質科学の分野で博士課程後期にいる女性研究者に奨学金を提供し、優れた女性科学者を支援するプログラムです。この賞には、毎年2名ずつ選出された研究者が参加しています。
受賞者の体験談
トークセッションには、戸張靖子氏や小野寺桃子氏が講演し、それぞれが「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」の応募理由や受賞後の影響について語りました。戸張氏は、最初の応募が落選したことを糧にし、二回目の挑戦で得た経験が研究人生の宝物であると語りました。
小野寺氏は、受賞によって自信が得られ、研究者としてのキャリアを築くモチベーションに繋がったと説明しました。彼女は特に、女性研究者が少ないことをプラスに捉え、自らの進路選択において問題視しなかったと語ります。
次世代への育成と支援
戸張氏は、次世代の女性研究者を育成するために高等教育の初期段階での心理的な障壁を下げ、研究への興味を持ってもらう取り組みを強調しました。また、今年度の「日本奨励賞」には、生命科学と物質科学で計6名の研究者が選ばれ、授賞式は10月2日に大阪で行われる予定です。
STEM分野と女性の進出促進
トークセッションでは、ドイツ政府の「ガールデー」などの取り組みについても触れられました。これは、女子生徒がSTEM(科学・技術・工学・数学)分野に進むための職場体験プログラムであり、女性の科学技術への進出を促進する方法として効果的です。
日本の女性研究者人口の増加に向け、未来の女性科学者の実践的な体験を重視し、継続的な支援が求められていることが改めて確認されました。このような取り組みが、未来の科学分野への女性の進出を加速させるでしょう。
“`